全国の自然環境を次世代に伝えるろうきん森の学校。各地区の活動は、地域に根付いたNPO団体が支えています。自然体験プログラムには近隣地域の方だけでなく、ろうきん職員の参加ももちろん歓迎!地域の自然と人の関係を繋ぎ続けた森の学校だからこそできる、唯一無二の体験を味わう旅をご提案します。
【現在募集中の体験プログラムは、毎月発行の庫内報「森の学校だより」でチェック!】

今回の旅の目的はろうきん森の学校・新潟地区「NPO法人かみえちご山里ファン倶楽部」で毎月1回・週末に開催される、『ちょいワラ体験会』。気軽なワラ細工体験です。自然と共に生きてきた日本の暮らしを深く感じる、貴重なプログラムです。
金曜に東京駅を出発・土曜に体験に参加し帰着する、1泊2日の旅プランをご紹介します!
※ 電車・バスの発着時間は2025年9月現在です。
【事前準備】
① 体験会のお申込:NPO法人かみえちご山里ファン倶楽部WEBサイト内
https://kamiechigo.jp/events/から「わら細工体験会」でお申込下さい。
※ 次回ちょいワラ体験会は10月5日(日)・11月3日(月祝)開催予定!
※ 参加費:500円/人
② レンタカー予約:レンタカーは上越妙高駅周辺が最も充実しており、帰路も楽です。
※ 旅慣れた方なら公共交通機関移動も可能!ただし、ワークショップの開催地行き路線バスは本数が少ないため【必ず時刻を確認】して旅程をお組みください。
③ 新幹線・宿の予約
※ レンタカー2日間利用の場合→周辺地域を含めて宿はどこでも!
公共交通機関のみで移動の場合→直江津駅周辺の宿泊がおすすめ。
【1日目】直江津・高田の自然と文化、食を楽しむ
8:41 東京駅発 北陸新幹線はくたか(金沢行)に乗車。上越妙高駅へ向かいます。




10:39 上越妙高駅着 レンタカーに乗り、まずはビューッと日本海へ20分ほど北上。直江津へ向かいます。
◉ 上越妙高駅接続・妙高はねうまライン(直江津行)10:53発も利用可能です。
11:30 日本海は目の前!直江津で海鮮ランチ ここで早めのランチ。直江津駅周辺には海鮮ランチが食べられるお店がいくつも。ぜひ日本海の恵みを堪能して!


12:30 美しい水族館で海を学ぶ 直江津駅から車で4分・美しいガラス張りの上越市立水族博物館「うみがたり」では、海の生物の基本知識や日本海の生態を洗練された展示で学べます。間近で見られるイルカのショーや100羽以上のマゼランペンギンでも有名な、楽しさも兼ね備えた水族館です。旅のはじまりなのに時間を忘れてしまいそう!【直江津駅から徒歩15分・タクシー4分】




上越市立水族博物館「うみがたり」所在地:新潟県上越市五智2-15-15
開館時間:10:00〜18:00 料金:大人(18歳以上)1,800円
詳細は公式サイトをご確認下さい。
https://www.umigatari.jp/joetsu/
14:30 雁木(がんぎ)の街、高田へ 名残惜しいけれど、うみがたりを出発。来た道を車で戻り、城下町・高田へ向かいます。ここは高さ4m近い積雪記録もあるほどの豪雪地帯。江戸時代は城下の職人街として賑わった高田。冬の通り道確保のため、駅周辺に広がる街並みには雁木(がんぎ)と呼ばれる、いわゆるアーケードを備えた古い建物が残されています。


15:00 お茶の点前に高田の文化を感じる 日本海の食は海鮮だけじゃない!高田に来たらぜひ「多賀茶焙煎所」へ。かつて華やかな芸者置屋だった建物の息づかいを残して現代的にリノベーションされた、日本茶を楽しむ上品なカフェです。全国のお茶の品種を選んで味わえるだけでなく、焙煎所の名の通り、棒茶と呼ばれる茶の茎をお好みの深さで目の前で焙煎して頂けます。水は妙高山麓の伏流水。店内で職人が作る和菓子とともに、美しい所作で淹れられたお茶の香りと味わいが心に染み渡ります。




多賀茶焙煎所 所在地:新潟県上越市仲町3丁目1-9(JR高田駅徒歩6分)
営業時間:茶室10:00 – 16:30 (L.O 16:00/火曜休)
詳細は公式サイトをご確認下さい。事前の予約をおすすめします。
https://taga-tearoastery.com/
※多賀茶焙煎所の2階は一日一組限定(最大定員6名)の宿。グループ旅行の方はこちらもご検討下さい!
【2日目】自然とともにある人々が紡ぐ、稲穂の国・新潟の手仕事体験と地域の食。
7:45 いよいよ上越後(かみえちご)の森へ 少し早めに宿を出発。高田の街から車で約40分、ちょいワラ体験会会場の上越市横畑地区に向かいます。
◉ ナビや路線検索の設定の2つの重要!ポイント
①「平左衛門カフェ」(〒949-1739 新潟県上越市横畑524 電話: 080-6558-1728)を到着地点に設定して下さい。
②「谷浜郵便局」を【中継地】に設定して下さい。※中継地を指定しないと、カーブが多くすれ違いできない山道に誘導されることがあります。いったん日本海側に出て、桑取川沿いに南下するのが最適なルートです。※有料道路を利用すると遠回りです。
◉ 路線バスご利用の方 JR直江津駅まで移動し、直江津駅バス停7:33発・桑取線をご利用下さい。体験会会場前の横畑バス停まで約45分です。
※1日4本の路線です。乗り遅れにご注意下さい。※Suica・PASMOをお使いになれます。
9:00 暮らしと繋がるちょいワラ体験会 ろうきん森の学校新潟地区・NPO法人かみえちご山里ファン倶楽部理事の渡邉さんが笑顔で迎えてくれました。会場の「ちょいワラ工房」は、地域の古民家を借り受けNPOでリノベーションして活用する施設。ワラ細工の体験施設にすることで、この地域の農業と暮らしの記憶を建物と切り離すことなく残そうとしているのです。


参加者は半分以上地元や周辺地域のリピーターですが、初めての参加者も多いそう。米どころ新潟でも、ワラを綯(な)うのはすでに日常の風景ではありません。そんな今だからこそ、暮らしの道具を自分の手で生み出すワラ細工に惹きつけられる人が絶えないようです。


まずは基本中の基本・縄を綯うところから。繊維をねじり合わせて糸やロープができるのと理屈は一緒なのですが、頭の理解に手は全くついてきません。苦戦する初心者をよそに、代々この地域で農業を営む和瀬田さんは「なんでできないかなあ?」と不思議がりながら両方の手のひらで藁束をやすやすと縄にしていきます。


それでも講師の東城さんや渡邉さん、ベテランのみなさんに丁寧に教えられるうちに、コツを掴み出します。


10:00 おやつが繫ぐ人との縁 ここでおやつの時間。集中し続けた疲れを癒すだけではなく、自然と暮らしの結びつき、それを大事にしたい人々の思いが、おやつとおしゃべりを通じてじんわり伝わります。この日は参加者のおひとりが手作りのナスの漬物を差し入れて下さいました。


この体験会が素敵なのは、手を動かしながらゆるやかに今日作りたいものを、参加者それぞれで決められること。講師やベテランさんがさりげなくサポートして下さいます。そしてワラ細工は日常で使えることが魅力。初日に鍋敷きに挑戦する方や、蓋付きの小物入れを進めるベテランさんなどそれぞれのペースで進みます。時間内にワラ細工を完成させる自信がない方もご心配なく。時間が許す限り、午後も延長戦ができます。


12:00 地域の食を古民家カフェで あっという間の3時間、お昼の時間です。ちょいワラ体験会は、すぐ隣に「平左衛門カフェ」があることも魅力のひとつ!車で30分以上の山道を、ここを目的地にドライブしてくる方多数の大人気カフェです。なんと、ここもNPO法人かみえちご山里ファン倶楽部が運営しているのです。ろうきん森の学校の活動を通じて、森と人が共に織りなす地域の文化が世代を越えて守られています。


やはりおすすめは「桑取ごっつぉ定食」。水源の森の湧き水で炊いた白米と地物の野菜のおかずに、主役級の上越郷土料理の汁物を添えた定食です。今日はくじら汁。くじらはそう、鯨です!鯨の良質な脂肪・ビタミン・コラーゲンたっぷりの皮と脂肪の部分は「塩クジラ」と呼ばれ、新潟の夏のスタミナ食として地元スーパーでも取り扱われる食材。鯨と手作り味噌のうまみを具のユウガオが吸い込み、力強いけれどくどくない、滋味溢れる新潟の伝統食が頂けます。春の汁の具はネマガリダケ(細くて柔らかい貴重な山のタケノコ)、秋はキノコですって!ちなみに定番のカレーも絶品でした。


古民家カフェ 平左衛門 所在地:〒949-1739 新潟県上越市横畑524
電話:080-6558-1728(営業日)/025-541-2602(運営団体)
営業日時:金・土・日・祝日の11:00-16:00
※冬期(12〜翌4月中旬)は雪のため休業です。また臨時休業することがあります。
詳細は公式サイトをご確認下さい。 https://heizaemon.wordpress.com/
14:30 手作りのワラ細工を手に帰路へ 初めてなのに素敵なワラ飾りが完成しました!手仕事に夢中になる時間を一緒に過ごすことで、参加者同士も、かみえちご山里ファン倶楽部のスタッフのみなさんとも、つくる喜びを知る人々のほのかな絆が生まれます。それが、ちょいワラ体験会のいちばんの魅力なのかもしれません。


さあ、名残惜しいけれど、この風景とお別れです。またきっと。


◉ 「ちょいワラ工房」から上越妙高駅までは車で約1時間です。ナビ等を設定する場合は険しい山道を避けるため、行きと同じく【中継地】に「谷浜郵便局」を設定して下さい。
◉ 路線バスご利用の方は、ちょいワラ工房前の横畑バス停13:14発・もしくは16:21発(最終)の桑取線をご利用下さい。直江津駅前通りバス停まで約40分です。
ちょいワラ体験会 会場[ちょいワラ工房]:〒949-1739 新潟県上越市横畑613
主催:NPO法人かみえちご山里ファン倶楽部
連絡先:025-541-2602(運営団体)
開催日:毎月第1週末(月によって曜日は変わります)
※冬期(12〜翌4月)は雪のため、会場が変わります。
詳細は公式サイト内「わら細工体験会」をご確認下さい。
https://kamiechigo.jp/events/
【渡邉さんおすすめ!ちょいワラ体験会の旅・グループバージョンのご案内】
ファミリーやグループでのご参加をお考えの方は、上記サイトからご相談下さい。子ども連れでもじっくり取り組めるよう、ちょいワラ体験会の午後からの参加受け入れが可能です。